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陸軍三式軍服将校用について

昭和18年式制三式軍服は兵下士官用においてはサイズを6種から3種へ減らすなどの簡略化が目立ち、物資不足による改正の印象があるが、将校用においては階級章の大型化や袖章の追加など九八式よりも華美な物へと進化している。

興味深いのは、袖章にて階級を示す新たな方法は海軍の1種軍装と発想が似ており、また襟階級章も星章を中央から端へ変更したがこれは海軍の階級章と同じ方式である。

この頃海軍の新兵は4等水兵であったが陸軍の新兵が2等兵であることに合わせ2等水兵からスタートするように制度改正を行い陸軍が見ても解りやすいようにと階級章のデザインも変更された。

古くから仲が悪くて有名な陸軍と海軍であるが、総力戦に向けて双方の優れた部分は認めて受け入れ歩み寄った結果が陸軍三式将校用軍服に表れているように思えてならない。
実際に南方諸島では海軍が守備しているところへ陸軍部隊が増援され共に戦った所が多数ある。
日本が一つに団結し国難に対決した時代の証人なのではないか。

末期はなんでも物資不足でそのための改定であり何でも粗悪というパラダイムでは真実を感じることはできない。
人間も苦しい時こそその人の人格が現れるものである。
日本を知りたければ日本が苦しい時代を正しく考察することが大切であると思う。

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プロフィール

someyagunsoh

Author:someyagunsoh
代表取締役 染屋雅俊

1965年4月27日生
千葉県佐倉市出身

略歴
陸上自衛隊
慶應義塾大学 文学部
進学塾・予備校教師
私学私塾経営コンサルタント
(東証一部・管理職)
[7Habits]公認講師

大叔父は海軍上等兵曹染屋雄三
横須賀第二陸戦隊所属。
海軍第五根拠地隊司令部付。
昭和19年7月サイパン島にて玉砕。

青春を護国に捧げ独身のまま戦死した子孫のいない大叔父の孫として生きる。

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