2013/01/20
陸軍三式軍服将校用について
昭和18年式制三式軍服は兵下士官用においてはサイズを6種から3種へ減らすなどの簡略化が目立ち、物資不足による改正の印象があるが、将校用においては階級章の大型化や袖章の追加など九八式よりも華美な物へと進化している。興味深いのは、袖章にて階級を示す新たな方法は海軍の1種軍装と発想が似ており、また襟階級章も星章を中央から端へ変更したがこれは海軍の階級章と同じ方式である。
この頃海軍の新兵は4等水兵であったが陸軍の新兵が2等兵であることに合わせ2等水兵からスタートするように制度改正を行い陸軍が見ても解りやすいようにと階級章のデザインも変更された。
古くから仲が悪くて有名な陸軍と海軍であるが、総力戦に向けて双方の優れた部分は認めて受け入れ歩み寄った結果が陸軍三式将校用軍服に表れているように思えてならない。
実際に南方諸島では海軍が守備しているところへ陸軍部隊が増援され共に戦った所が多数ある。
日本が一つに団結し国難に対決した時代の証人なのではないか。
末期はなんでも物資不足でそのための改定であり何でも粗悪というパラダイムでは真実を感じることはできない。
人間も苦しい時こそその人の人格が現れるものである。
日本を知りたければ日本が苦しい時代を正しく考察することが大切であると思う。
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